全球の海面水温の変動(2009年7月)
平成21年8月17日発表
平成21年8月17日発表
- 太平洋赤道域の海面水温は全域で正偏差でした。130ºWから90ºWでは1℃以上の正偏差が見られました。北太平洋では、10ºN、140ºEから45ºN、135ºWにかけて、一部を除き顕著な正偏差が見られました。一方、日本周辺、ベーリング海と北米西岸では顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、30ºS、90ºW付近で顕著な正偏差が見られました。
- 大西洋の海面水温は、20ºN以北では、45ºN、30ºW付近で負偏差、その他では広く正偏差が見られました。熱帯域では、10ºS帯とベネズエラの東で正偏差、赤道域で負偏差がそれぞれ見られました。
- インド洋の海面水温は、東部の赤道付近からオーストラリアの北にかけての熱帯域、アラビア海、赤道域の西部とマダガスカル東方沖で顕著な正偏差が見られました。
- 全球の海面水温の最近の傾向
- 太平洋赤道域では、2008/2009年冬に中部から東部にかけて負偏差が強まりましたが、4月には解消し、5月以降には正偏差になっています。
大西洋では2008年5月以降、30ºN以北の広い範囲での顕著な正偏差が続いていましたが、2009年5月以降には負偏差域が見られるようになっています。一方、2008年12月から赤道の南では正偏差が持続しています。
インド洋では2008年10月以降、南西部で顕著な正偏差が持続しています。
全球平均海面水温偏差は、2009年春以降、上昇し、2009年6月と7月には、97/98エルニーニョ現象に伴って高偏差となった1998年以来の高い値となっています。
- 顕著な現象とは
- 全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ 空間パターンを対象にしています。