全球の海面水温の変動(2009年10月)

平成21年11月16日発表

診断


10月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は全域で正偏差でした。170ºEから140ºWにかけてと100ºW付近で+1℃以上の正偏差が見られました。北太平洋では、熱帯域の中部から東部にかけてと、35ºN165ºE付近、およびオホーツク海で顕著な正偏差が見られました。南太平洋では、15ºS120ºW付近で顕著な正偏差が見られました。一方、チリ西岸からペルー西方沖にかけて負偏差が見られました。
  • 北大西洋の海面水温は、北西部を除き、広く顕著な正偏差が見られました。
  • インド洋の海面水温は、30ºS以北のほぼ全域で正偏差となり、赤道域で顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2009年10月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向
 太平洋赤道域では、2008/2009年冬に中部から東部にかけて負偏差が強まりましたが、4月に解消しました。6月以降には全域で正偏差が見られ、10月には中部で正偏差が顕著になっています。
 大西洋では2009年7月以降、30ºN以北の一部で負偏差域が見られ、その他の海域では正偏差が見られる状態が続いています。
 インド洋では2009年5月以降、赤道域で顕著な正偏差が持続しています。

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ 空間パターンを対象にしています。

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