全球の海面水温の変動(2010年3月)

平成22年4月15日発表

診断


3月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 2009年夏以降エルニーニョ現象が続いています。太平洋赤道域の海面水温は、中部で顕著な正偏差でした。北太平洋の海面水温は、日本の東で顕著な正偏差が見られました。15ºN、180ºから45ºN135ºWにかけて顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、南米西方沖で顕著な負偏差が見られました。
  • 大西洋の海面水温は、30ºSから30ºNにかけてと50ºN以北で顕著な正偏差が見られました。一方、メキシコ湾と米国東方沖で顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋熱帯域の海面水温は、ほぼ全域で顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2010年3月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向
 2009年夏以降エルニーニョ現象が続いています。太平洋赤道域では、6月以降にはほぼ全域で正偏差となり、10月以降は中部で正偏差が顕著となっています。
 大西洋では2010年1月以降、30ºSから30ºNにかけてと50ºN以北で正偏差、メキシコ湾と米国東方沖で負偏差が見られる状態が続いています。
 インド洋の海面水温は、2009年6月以降、広範囲で顕著な正偏差が持続しています。
 全球平均海面水温偏差は、2009年春以降、エルニーニョ現象に伴って上昇し、97/98エルニーニョ現象以来の高い値となっています。

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ 空間パターンを対象にしています。

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