全球の海面水温の変動(2010年5月)
平成22年6月15日発表
平成22年6月15日発表
- 太平洋赤道域の海面水温では、西部で顕著な正偏差が見られました。北太平洋の海面水温は、平年に近い状態でした。南太平洋では、ニューギニア東方沖と40ºS、160ºW付近で顕著な正偏差が、南米西方沖で顕著な負偏差が見られました。
- 大西洋の海面水温では、30ºSから30ºNにかけてと45ºN以北で顕著な正偏差が見られました。一方、米国東方沖で顕著な負偏差が見られました。
- インド洋の海面水温では、オーストラリア西岸付近とソマリア東岸付近で弱い負偏差が見られたほかは、広く顕著な正偏差が見られました。
- 全球の海面水温の最近の傾向
- 太平洋赤道域中部では、2009年10月以降、顕著な正偏差が続いていましたが、2010年5月には解消しました。2009年夏に発生したエルニーニョ現象は2010年春に終息したとみられます(エルニーニョ監視速報)。
大西洋では2010年1月以降、30ºSから30ºNにかけてと50ºN以北で正偏差、米国東方沖で負偏差が続いています。
インド洋の海面水温は、2010年2月以降、オーストラリア西岸付近を除き顕著な正偏差が持続しています。
全球平均海面水温偏差は、2009年春以降、エルニーニョ現象に伴って上昇し、97/98エルニーニョ現象以来の高い値となっています。
- 顕著な現象とは
- 全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ 空間パターンを対象にしています。