全球の海面水温の変動(2010年7月)
平成22年8月16日発表
平成22年8月16日発表
- 太平洋赤道域の海面水温では、西部で顕著な正偏差、中部から東部にかけて顕著な負偏差が見られました。北太平洋の海面水温では、日本海および日本の東方沖で正偏差、北アメリカ西方沖で負偏差が見られました。またフィリピン付近で顕著な正偏差が見られました。南太平洋の海面水温では、ニューギニア付近から40ºS、120ºW付近にかけて顕著な正偏差、南アメリカ西方沖で負偏差が見られました。
- 北大西洋の海面水温では、熱帯域と北アメリカ東岸付近および55ºN以北で顕著な正偏差が見られました。一方、45ºN、35ºW付近で負偏差が見られました。
- インド洋の海面水温では、マダガスカル付近から35ºS、100ºE付近にかけてとアラビア海で正偏差が見られました。
- 全球の海面水温の最近の傾向
- 2009年夏に発生したエルニーニョ現象は冬にピークを迎えた後、弱まり、2010年春に終息しました。2010年6月以降、太平洋赤道域の中部から東部で負偏差が見られ、ラニーニャ現象時の特徴が明瞭になっています。
大西洋の海面水温は、2010年1月以降、熱帯域と50ºN以北で正偏差が見られる状態が続いています。
インド洋の海面水温は、2010年2月以降、ほぼ全域で顕著な正偏差が持続しています。
- 顕著な現象とは
- 全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ 空間パターンを対象にしています。