全球の海面水温の変動(2010年11月)

平成22年12月15日発表

診断


11月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  •  太平洋赤道域の海面水温は、ほぼ全域で顕著な負偏差が見られました。北太平洋では、日本海と、フィリピン付近から30ºN155ºW付近にかけて顕著な正偏差が見られ、北アメリカ西方沖で顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、ニューギニア付近から30ºS105ºW付近にかけて顕著な正偏差、南アメリカ西方沖で顕著な負偏差が見られました。
  •  北大西洋では、メキシコ湾付近を除く40ºN以南と50ºN以北で顕著な正偏差が見られました。
  •  インド洋では、南東部とマダガスカル付近で顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2010年11月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向
 2009年夏に発生したエルニーニョ現象は2010年春に終息しました。2010年夏以降は、太平洋赤道域の中部から東部で負偏差となっており、ラニーニャ現象時の特徴が持続しています。
 大西洋の海面水温は、2010年1月以降、熱帯域と50ºN付近より北側で正偏差が持続しています。
 インド洋の海面水温は、2010年2月以降、ほぼ全域で顕著な正偏差が持続していましたが、7月頃から正偏差域が次第に狭まっています。

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ 空間パターンを対象にしています。

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