全球の海面水温の変動(2011年5月)

平成23年6月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


5月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  •  中部太平洋赤道域の海面水温の負偏差は、4月より縮小しました。北太平洋では、35ºN160ºW付近に顕著な正偏差が見られ、日本近海と米国西方沖およびメキシコ西岸付近で顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、オーストラリア東方沖から35ºS90ºW付近にかけて顕著な正偏差が見られ、中部から東部にかけての熱帯域で顕著な負偏差が見られました。
  •  インド洋では、オーストラリア西岸からマダガスカルにかけて顕著な正偏差が見られ、10ºS75ºE付近で顕著な負偏差が見られました。
  •  大西洋では、北大西洋熱帯域、米国東岸付近および西ヨーロッパから北アフリカにかけての西岸付近で顕著な正偏差が見られ、50ºN35ºW付近で顕著な負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2011年5月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向
 2010年夏に発生したラニーニャ現象は、2011年春まで持続しました。
 インド洋の海面水温は、2010年10月以降、オーストラリア西岸付近で顕著な正偏差が見られています。
 大西洋の海面水温は、2010年12月頃から北大西洋の熱帯域と高緯度で正偏差、中緯度で負偏差の三極パターンが見られましたが、4月以降やや不明瞭になっています。

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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