全球の海面水温の変動(2011年8月)
平成23年9月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成23年9月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温には、顕著な偏差はほとんど見られませんでした。北太平洋では、45ºN、160ºW付近とカムチャツカ周辺で顕著な正偏差が見られました。一方、ベーリング海東部、米国西岸付近、メキシコ西岸からその西方沖にかけてと日本の南では顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、オーストラリア東方沖に顕著な正偏差が見られ、中部から東部にかけての熱帯域で顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、アフリカ東岸の赤道域およびマダガスカル東岸からオーストラリア西岸にかけて顕著な正偏差が見られました。
- 北大西洋では、熱帯域および40ºN、30ºW付近で顕著な正偏差が見られ、英国西方沖および北アフリカ西方沖で顕著な負偏差が見られました。
- 全球の海面水温の最近の傾向
- 2010年夏に発生したラニーニャ現象は、2011年春に終息し、その後はエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態になっています。また、2011年5月以降、ハワイ北方で顕著な正偏差が見られています。
インド洋の海面水温は、2011年4月以降、アフリカ東岸付近からオーストラリア西岸付近にかけて顕著な正偏差が見られています。
大西洋の海面水温は、2010年1月以降、北大西洋の熱帯域で顕著な正偏差が見られています。
- 顕著な現象とは
- 全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。