全球の海面水温の変動(2011年9月)
平成23年10月17日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成23年10月17日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部にかけて負偏差が見られました。北太平洋では、日本の東からアリューシャンの南にかけてと35ºN、145ºW付近で顕著な正偏差が見られました。一方、小笠原諸島周辺、米国西岸から10ºN、165ºE付近にかけてとアラスカ沿岸では顕著な負偏差が分布しました。南太平洋では、オーストラリア東方沖から30ºS、110ºW付近にかけて顕著な正偏差が見られ、熱帯域では、中部から東部にかけて顕著な負偏差が分布しました。
- インド洋では、アフリカ東岸の赤道域からその東方沖にかけてとマダガスカル東岸付近からオーストラリア西岸にかけて顕著な正偏差が見られました。一方、スマトラ島南部の西岸付近では顕著な負偏差が分布しました。
- 北大西洋では、熱帯域の西部および35ºN、55ºW付近で顕著な正偏差が見られ、英国西方沖で顕著な負偏差が分布しました。
全球海面水温平年偏差の分布
2011年9月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2010年夏に発生したラニーニャ現象は、2011年春に終息し、その後はエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態になっています。また、2011年5月以降、ハワイ北方で顕著な正偏差が見られていますが、8月から偏差は小さくなっています。
インド洋の海面水温は、2011年4月以降、マダガスカル東岸付近からオーストラリア西岸付近にかけて顕著な正偏差が見られています。
大西洋の海面水温は、2010年1月以降、北大西洋の熱帯域で顕著な正偏差が見られています。また、2011年6月以降、英国西方沖で顕著な負偏差が見られています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。