全球の海面水温の変動(2011年10月)

平成23年11月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


10月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部にかけて負偏差が見られました。赤道をはさんだ南北両側の太平洋熱帯域では、中部から東部にかけて顕著な負偏差が見られました。北太平洋では、日本の東からアリューシャンの南にかけてとベーリング海西部で顕著な正偏差が見られました。一方、米国西方沖から50ºN170ºW付近にかけて顕著な負偏差が分布しました。南太平洋では、オーストラリア東方沖から30ºS120ºW付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • インド洋では、アフリカ東岸の赤道域からインド南岸およびオーストラリア西岸にかけて顕著な正偏差が見られました。一方、ジャワ島南岸からオーストラリア北西岸にかけて顕著な負偏差が分布しました。
  • 北大西洋では、米国東岸付近およびイベリア半島西岸付近で顕著な正偏差が見られ、45ºN40ºW付近で顕著な負偏差が分布しました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2011年10月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2010年夏に発生したラニーニャ現象は、2011年春に終息し、夏には平常の状態になっていましたが、秋には再びエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より低くなっています。
 インド洋の海面水温は、2010年10月以降、オーストラリア西岸付近で顕著な正偏差が見られています。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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