全球の海面水温の変動(2011年11月)
平成23年12月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成23年12月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部にかけて負偏差が見られました。赤道を挟んだ南北両側の太平洋熱帯域では、中部から東部にかけて顕著な負偏差が見られました。
- 北太平洋では、日本の東からアリューシャンの南にかけて顕著な正偏差が見られました。一方、米国西岸からアラスカ南岸にかけて顕著な負偏差が分布しました。南太平洋では、オーストラリア東方沖から30ºS、130ºW付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
- インド洋では、マダガスカル東岸からオーストラリア西岸にかけて、および赤道域で顕著な正偏差が見られました。
- 北大西洋では、米国東方沖およびカリブ海で顕著な正偏差が見られ、40ºN、40ºW付近で顕著な負偏差が分布しました。
全球海面水温平年偏差の分布
2011年11月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2010年夏に発生したラニーニャ現象は、2011年春に終息し、夏には平常の状態になっていましたが、秋以降再びエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より低くなっています。
インド洋の海面水温は、2010年10月以降、オーストラリア西岸付近で顕著な正偏差になっています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。