全球の海面水温の変動(2012年1月)

平成24年2月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


1月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、150ºE以西で正偏差、150ºE以東では負偏差が見られました。また、この負偏差は赤道域から15ºS付近まで広がっていました。
  • 北太平洋では、メキシコ西方沖および米国西岸からアラスカ南岸にかけて顕著な負偏差が見られ、それらに囲まれた北太平洋中央部、およびフィリピン付近で顕著な正偏差が見られました。
  • 南太平洋では、30ºS135ºW付近と、チリ西岸から20ºS110ºW付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • インド洋では、マダガスカル北東沖からオーストラリア西岸付近にかけて顕著な正偏差が見られ、マダガスカル南岸から35ºS80ºE付近にかけて顕著な負偏差が分布しました。
  • 北大西洋では、米国東岸付近およびヨーロッパ西岸から30ºN40ºW付近にかけて顕著な正偏差が見られ、50ºN30ºW付近で顕著な負偏差が分布しました。南大西洋の熱帯域では、顕著な負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2012年1月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向

2010年夏に発生したラニーニャ現象は、2011年春に終息し、夏には平常の状態になっていましたが、秋以降再びエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より低くなり、ラニーニャ現象の傾向が見られています。
北太平洋の海面水温は、2011年11月以降アリューシャンの南で顕著な正偏差になっています。
インド洋の海面水温は、2010年10月以降オーストラリア西岸付近で顕著な正偏差になっています。
北大西洋の海面水温は、2011年9月以降米国東岸付近で顕著な正偏差になっています。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

このページのトップへ