全球の海面水温の変動(2012年5月)
平成24年6月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成24年6月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温には、顕著な偏差は見られませんでした。
- 北太平洋では、日本付近から北太平洋中央部にかけてと北太平洋熱帯域西部で顕著な正偏差が見られました。また、メキシコ西方沖およびアラスカ南方沖からアリューシャン近海にかけてと、オホーツク海および日本の南で顕著な負偏差が見られました。
- 南太平洋では、チリ西岸付近で顕著な正偏差が見られました。
- インド洋では、赤道域西部とオーストラリア西岸付近から10ºS、80ºE付近にかけて顕著な正偏差が見られ、インド洋北西部で顕著な負偏差が見られました。
- 大西洋では、米国東岸付近から50ºN、35ºW付近にかけてとメキシコ湾で顕著な正偏差が見られ、赤道域で顕著な負偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2012年5月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
エルニーニョ監視海域の海面水温は、2011年秋以降、基準値より低くなり、ラニーニャ現象の傾向が見られていましたが、2月以降基準値に近い値が続いています。
北太平洋の海面水温は、2011年11月以降、アリューシャンの南で顕著な正偏差になっています。
インド洋の海面水温は、2010年10月以降、オーストラリア西岸付近で顕著な正偏差になっています。
北大西洋の海面水温は、2011年9月以降、米国東岸付近で顕著な正偏差になっています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。