全球の海面水温の変動(2012年10月)

平成24年11月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


10月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 10月の太平洋赤道域の海面水温は、西部で正偏差、東部で負偏差でした。
  • 北太平洋では、オホーツク海付近、35ºN170ºE付近および40ºN145ºW付近で顕著な正偏差が見られました。また、ベーリング海、アリューシャン近海、メキシコ西方沖から15ºN180ºEにかけてと、フィリピン付近から日本の南にかけて顕著な負偏差が分布しました。
  • インド洋では、オーストラリア西岸付近から熱帯域にかけてと、マダガスカルの南東で顕著な正偏差が見られました。
  • 大西洋では、米国東岸付近からグリーンランド周辺にかけてと、メキシコ湾から北アフリカ西岸付近にかけて顕著な正偏差が見られました。また、35ºN35ºW付近とブラジル東岸付近から南アフリカ西岸付近にかけて顕著な負偏差が分布しました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2012年10月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向

太平洋赤道域の海面水温は、夏には中部から東部で正偏差でしたが、秋には正偏差は弱まっています。
北太平洋の海面水温は、2011年11月以降、アリューシャンの南で顕著な正偏差が続いていましたが、2012年10月には正偏差は弱まっています。また、2011年6月以降、アラスカの南で負偏差になっています。
インド洋の海面水温は、2010年10月以降、オーストラリア西岸付近で顕著な正偏差になっています。
北大西洋の海面水温は、2011年9月以降、米国東岸付近で顕著な正偏差になっています。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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