全球の海面水温の変動(2013年3月)

平成25年4月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


3月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 3月の太平洋赤道域の海面水温には、インドネシア付近の正偏差を除き、顕著な偏差は見られませんでした。
  • 北太平洋では、中央部とフィリピン周辺で顕著な正偏差が見られました。また、米国西岸付近から5°N,155°W付近にかけて顕著な負偏差が分布しました。
  • インド洋では、熱帯域で概ね正偏差となり、マダガスカル島の東からスマトラ島の北にかけてと、オーストラリア西岸付近で顕著な正偏差が見られました。
  • 北大西洋では、メキシコ湾からイベリア半島付近にかけて帯状に負偏差となり、その南北で正偏差が分布しました。南米北岸付近から北アフリカ西岸付近にかけてと、50°N以北では、顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2013年3月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

北太平洋の海面水温は、2010年6月以降、中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる偏差パターンが概ね持続しています。
インド洋の海面水温は、2010年10月以降、オーストラリア西岸付近で顕著な正偏差になっています。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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