全球の海面水温の変動(2013年5月)

平成25年6月17日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


5月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 5月の太平洋赤道域の海面水温は、東部で顕著な負偏差が見られました。NINO.3海域の月平均海面水温偏差および基準値との差はともに-0.8℃でした。
  • 北太平洋では、アラスカの南と、ハワイ付近から15ºN, 175ºW付近にかけてと、南シナ海からフィリピンの東にかけて顕著な正偏差が見られました。日本の南では顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、赤道域において85ºE以西で概ね負偏差、85ºE以東で正偏差となり、マダガスカル北東岸付近では顕著な負偏差、オーストラリア北西岸付近からスマトラの南にかけては顕著な正偏差が見られました。
  • 北大西洋では、20ºN, 60ºW付近から35ºN, 40ºW付近にかけて顕著な負偏差が見られました。それをはさむように、北アフリカ西岸付近から15ºN, 45ºW付近にかけてと、米国東岸付近からグリーンランドの南にかけて、顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2013年5月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向

北太平洋の海面水温は、2010年6月以降、中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる偏差パターンが概ね持続しています。ただし2013年4月以降は、中央部より東寄りの位置で顕著な正偏差が見られ、北米沖の負偏差も弱まったため、PDO指数は負の値が続いているものの、大きさは小さくなっています。
北大西洋の海面水温は、2013年3月以降、40ºN付近の中緯度帯で負偏差、その南北で正偏差が広がる三極パターンが持続しています。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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