全球の海面水温の変動(2014年4月)
平成26年5月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成26年5月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、日付変更線付近で顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+0.2℃、基準値との差は+0.3℃でした。
- 北太平洋では、アラスカの南から熱帯域の中部にかけてと、メキシコ沿岸から熱帯域の130°W付近にかけて顕著な正偏差、日本の南で顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、ニュージーランド付近から40°S, 85°W付近にかけて顕著な正偏差、チリ沿岸から15°S, 120°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、南半球の広い範囲で顕著な正偏差が見られました。
- 北大西洋では、カリブ海から30°N, 35°W付近にかけて顕著な正偏差、45°N, 40°W付近で顕著な負偏差、熱帯域では負偏差が見られ、三極構造となっています。
全球海面水温平年偏差の分布
2014年4月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2010年6月以降、北太平洋中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね持続していましたが、2013年4月頃から位相が不明瞭となり、指数が正となる月も見られています。
北大西洋では、2014年1月頃から正の北大西洋振動に対応する三極構造の海面水温偏差が見られています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。