全球の海面水温の変動(2014年5月)
平成26年6月16日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成26年6月16日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、ほぼ全域で正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+0.5℃、基準値との差は+0.6℃でした。
- 北太平洋では、アリューシャンの南から北米沿岸及び熱帯域中部にかけてと、フィリピン付近で顕著な正偏差、日本付近から25°N, 170°E付近にかけて顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、40°S付近で帯状に顕著な正偏差、チリ沿岸から15°S, 125°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、ベンガル湾東部、オーストラリア北西岸から10°S, 90°E付近にかけてと、マダガスカル島付近からオーストラリアの南西にかけて顕著な正偏差が見られました。
- 北大西洋では、キューバ付近から米国北東部付近にかけてと、30°N, 45°W付近から40°N, 20°W付近にかけて顕著な正偏差、40°N, 55°W付近から55°N, 20°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2014年5月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2010年6月以降、北太平洋中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね持続していましたが、2013年4月頃から位相が不明瞭となり、2014年2月からは指数が正となっています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。