全球の海面水温の変動(2014年6月)

平成26年7月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


6月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、ほぼ全域で正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+0.7℃、基準値との差は+0.8℃でした。
  • 北太平洋では、日本付近から北米沿岸にかけて、メキシコ沿岸から東部熱帯域にかけてと、フィリピン付近から20°N, 155°W付近にかけて顕著な正偏差、日本の南から30°N, 165°E付近にかけて顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、40°S付近で帯状に顕著な正偏差、チリ沖から15°S, 135°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、10°S, 115°E付近から5°S, 90°E付近にかけてと、マダガスカル島付近からオーストラリアの南西にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • 北大西洋では、米国東岸付近からフロリダ東方沖にかけて顕著な正偏差、35°N, 60°W付近から50°N, 25°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2014年6月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2010年6月以降、北太平洋中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね持続していましたが、2013年4月頃から位相が不明瞭となり、2014年2月からは指数が正となっています。
 全球平均海面水温は、2014年春以降正偏差が拡大し、2014年6月には、1891年の統計開始以来、6月としては最も大きな正偏差となりました。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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