全球の海面水温の変動(2014年7月)

平成26年8月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


7月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、東部と西部で正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差および基準値との差はともに+0.4℃でした。
  • 北太平洋では、北日本周辺から北米沿岸にかけて、メキシコ沿岸から東部熱帯域にかけてと、20°N, 140°E付近から20°N, 170°W付近にかけて顕著な正偏差、東シナ海から35°N, 175°E付近にかけて顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、40°S付近で帯状に顕著な正偏差、チリ沿岸から15°S, 135°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、マダガスカル島付近から30°S, 100°E付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • 大西洋では、メキシコ湾から米国東岸付近にかけてと、35°N, 40°W付近に顕著な正偏差、赤道域の20°W付近で顕著な負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2014年7月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2010年6月以降、北太平洋中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね持続していましたが、2013年4月頃から位相が不明瞭となり、2014年2月からは指数が正となっています。
 全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。2014年6月に続いて、7月の海面水温も、1891年の統計開始以来7月としては最も大きな正偏差となりました。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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