全球の海面水温の変動(2014年9月)
平成26年10月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成26年10月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、西部で顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差および基準値との差はともに+0.4℃でした。
- 北太平洋では、日本の東から40°N, 170°Wにかけて負偏差、それを取り囲むように、20°N以北の広い範囲で顕著な正偏差が見られました。南太平洋では、40°S, 165°W付近から35°S, 115°W付近にかけて顕著な正偏差、15°S, 130°W付近から20°S, 90°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、東部赤道域と、マダガスカル付近からオーストラリア西岸にかけて顕著な正偏差、30°S, 45°E付近から40°S, 80°E付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
- 大西洋では、45°N, 50°W付近から40°N, 30°W付近にかけて顕著な負偏差、それを取り囲むように、20°N以北の広い範囲で顕著な正偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2014年9月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2010年6月以降、北太平洋中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね持続していましたが、2013年4月頃から位相が不明瞭となり、2014年2月からは指数が正となっています。
全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。2014年6月以降、各月としては1891年の統計開始以来最も大きな正偏差となっています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。