全球の海面水温の変動(2014年10月)
平成26年11月17日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成26年11月17日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、ほぼ全域で正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+0.6℃、基準値との差は+0.7℃でした。
- 北太平洋では、オホーツク海北部からアリューシャン近海及び北米沿岸から15°N, 155°E付近にかけての広い範囲と、東部熱帯域で顕著な正偏差、日本付近から日本のはるか東にかけて顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、15°S, 130°W付近から40°S, 90°W付近にかけて顕著な負偏差が見られ、その西方で顕著な正偏差が見られました。
- インド洋では、赤道域の西部及び東部と、マダガスカル付近からオーストラリア西岸にかけて顕著な正偏差、アフリカ南東岸付近から35°S, 75°E付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
- 大西洋では、北米東岸付近からイベリア半島付近にかけて顕著な正偏差、40°N, 40°W付近から55°N, 25°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2014年10月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2010年6月以降、北太平洋中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね持続していましたが、2013年4月頃から位相が不明瞭となり、2014年2月からは指数が正となっています。
全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。2014年6月以降、各月としては1891年の統計開始以来最も大きな正偏差となっています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。