全球の海面水温の変動(2015年2月)
平成27年3月16日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成27年3月16日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、西部で顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+0.1℃、基準値との差は+0.2℃でした。
- 北太平洋では、ベーリング海からアラスカの南および北米沿岸を経て15°N, 170°W付近にかけて顕著な正偏差、日本の南から30°N, 155°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、15°S, 180°付近と、50°S, 160°W付近から40°S, 80°W付近にかけて顕著な正偏差、チリ沿岸から15°S, 115°W付近にかけてと、35°S, 175°W付近で顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、オーストラリアの西で顕著な正偏差が見られました。
- 北大西洋では、北米東岸付近から35°N, 30°W付近にかけて顕著な正偏差、55°N, 50°W付近から55°N, 15°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2015年2月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2010年6月以降、北太平洋中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね持続していましたが、2013年4月頃から位相が不明瞭となり、2014年半ば以降、正のPDO時のパターンが次第に明瞭になってきました。
全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。