全球の海面水温の変動(2015年5月)
平成27年6月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成27年6月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、日付変更線付近から東部にかけて顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差および基準値との差はいずれも+1.2℃でした。
- 北太平洋では、北米沿岸および熱帯域の中部から東部にかけてと、日本付近から30°N, 175°E付近にかけて顕著な正偏差が見られました。南太平洋では、チリ沿岸から35°S, 110°W付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
- インド洋では、オーストラリア南西沖から西部熱帯域およびマダガスカル付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
- 北大西洋では、北米東岸付近およびメキシコ湾から25°N, 50°W付近にかけて顕著な正偏差、10°N, 50°W付近から25°N, 20°W付近にかけてとグリーンランドの南で顕著な負偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2015年5月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2010年6月以降、北太平洋中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね持続していましたが、2013年4月頃から位相が不明瞭となり、2014年半ば以降、正のPDO時のパターンが表れることが多くなっています。
全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。2015年5月には、1891年の統計開始以来、5月としては最も大きな正偏差となりました。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。