全球の海面水温の変動(2016年1月)
平成28年2月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成28年2月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域では、海面水温は日付変更線付近から東部にかけて顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+2.6℃、基準値との差は+2.7℃でした。
- 北太平洋では、海面水温は南シナ海から北米西岸にかけてと、熱帯域の東部で顕著な正偏差でした。南太平洋では、熱帯域の中部及び東部からチリ沿岸にかけてと、45°S, 145°W付近から45°S, 85°W付近にかけて顕著な正偏差、ニュージーランドの東で顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、ほぼ全域で顕著な正偏差が見られました。
- 北大西洋では、メキシコ湾及び北米東岸から25°N, 40°W付近にかけてと、北アフリカ西岸から英国付近にかけて顕著な正偏差、グリーンランドの南で顕著な負偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2016年1月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2014年半ば以降、北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差となる正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね続いています。
全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。2015年4月以降、各月としては1891年の統計開始以来最も大きな正偏差となっています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。