全球の海面水温の変動(2016年7月)
平成28年8月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成28年8月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域では、海面水温は西部で顕著な正偏差、中部から東部にかけて顕著な負偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は−0.5℃、基準値との差は−0.6℃でした。
- 北太平洋では、海面水温は30°N付近に帯状に負偏差が見られたほかはほぼ全域で顕著な正偏差でした。南太平洋では、オーストラリア東岸から35°S, 155°W付近にかけて、ペルーの西から5°S, 170°E付近にかけてと、55°S, 115°W付近から40°S, 75°W付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
- インド洋では、70°E以東の熱帯域のほぼ全域で正偏差となり、南インド洋熱帯域の中部から東部にかけてと、ベンガル湾で顕著な正偏差が見られました。一方、ソマリア東岸付近では顕著な負偏差が見られました。
- 北大西洋では、北米東岸から30°N, 45°W付近にかけてと、南米北岸から15°N, 30°W付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2016年7月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2014年半ば以降、北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差となる正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね続いています。
全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。2015年4月以降は、1891年の統計開始から前年までの各月の最大値を上回る記録的な正偏差となっています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。