全球の海面水温の変動(2016年9月)

平成28年10月17日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


9月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域では、海面水温は西部で顕著な正偏差、中部で負偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は−0.2℃、基準値との差は−0.3℃でした。
  • 北太平洋では、海面水温は西部熱帯域から中米西岸にかけてと、日本の東からアリューシャン近海を経て北米西岸で顕著な正偏差でした。南太平洋では、オーストラリア北東岸から30°S, 135°W付近にかけてと、チリ南部西岸から10°S, 125°W付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • インド洋では、ジャワ島の南で顕著な正偏差、マダガスカルの北で顕著な負偏差が見られました。
  • 北大西洋では、北米東岸から40°N, 50°W付近にかけて顕著な正偏差、50°N, 55°W付近から55°N, 20°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2016年9月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2014年半ば以降、北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差となる正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね続いています。
 全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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