全球の海面水温の変動(2016年11月)

平成28年12月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


11月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域では、海面水温は西部で顕著な正偏差、中部から東部にかけて負偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は-0.5℃、基準値との差は-0.6℃でした。
  • 北太平洋では、海面水温は南シナ海から25°N, 160°W付近にかけて、ベーリング海から北米西岸にかけてと、中米西岸から15°N, 145°W付近にかけて顕著な正偏差、オホーツク海南部から40°N, 130°W付近にかけて顕著な負偏差でした。南太平洋では、ソロモン諸島付近からチリ西岸にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • インド洋では、南インド洋熱帯域東部からオーストラリア北西岸にかけてと、マダガスカル付近から30°S, 100°E付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • 北大西洋では、北米東岸から40°N, 40°W付近にかけてと、南米北岸から10°N, 30°W付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2016年11月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2014年半ば以降、北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差となる正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね続いています。
 全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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