全球の海面水温の変動(2016年12月)
平成29年1月16日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成29年1月16日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域では、海面水温は西部で顕著な正偏差、中部から東部にかけて負偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差及び基準値との差はいずれも-0.4℃でした。
- 北太平洋では、海面水温は南シナ海から30°N, 150°W付近にかけて、アリューシャン近海からカナダ西岸にかけてと、中米西岸から25°N, 130°W付近にかけて顕著な正偏差、オホーツク海南部から40°N, 135°W付近にかけて顕著な負偏差でした。南太平洋では、チリ西岸から10°S, 170°E付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
- インド洋では、スマトラ島の南、ソマリア東岸付近と、30°S, 50°E付近から30°S, 100°E付近にかけて顕著な正偏差、20°S, 95°E付近に顕著な負偏差が見られました。
- 北大西洋では、西部を中心に広い範囲で顕著な正偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2016年12月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2014年半ば以降、北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差となる正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね続いています。
全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。