全球の海面水温の変動(2017年1月)
平成29年2月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成29年2月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域では、海面水温は西部で顕著な正偏差、中部で負偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差及び基準値との差はいずれも0.0℃でした。
- 北太平洋では、海面水温は南シナ海から35°N, 155°E付近にかけて、アリューシャン近海からカナダ西岸にかけて、35°N, 160°E付近から35°N, 130°W付近にかけてと、中米西岸から10°N, 130°W付近にかけて顕著な正偏差、45°N付近に帯状に顕著な負偏差が見られました。
- 南太平洋では、オーストラリア東岸からペルー西岸及び40°S, 75°W付近にかけて顕著な正偏差、25°S, 125°W付近から40°S, 110°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、アラビア海北部と、マダガスカル周辺から30°S, 95°E付近にかけて顕著な正偏差、オーストラリア南西岸から15°S, 55°E付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
- 北大西洋では、60°N, 40°W付近から60°N, 20°W付近にかけて顕著な負偏差が見られたほかは、西部を中心に広く顕著な正偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2017年1月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2014年半ば以降、北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差となる正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね続いています。
全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。