全球の海面水温の変動(2017年12月)
平成30年1月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成30年1月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、西部で顕著な正偏差、東部で顕著な負偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差及び基準値との差はいずれも-1.2℃でした。
- 北太平洋では、熱帯域の西部、10°N, 155°W付近から中米西岸にかけてと、40°N, 175°E付近から45°N, 160°W付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
- 南太平洋では、オーストラリア南東岸から45°S, 165°W付近にかけてと、30°S, 125°W付近から40°S, 85°W付近にかけて顕著な正偏差、20°S, 125°W付近からチリ西岸にかけて顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、マダガスカル周辺から40°S, 100°E付近にかけてと、ベンガル湾で顕著な正偏差、アラビア海で顕著な負偏差が見られました。
- 北大西洋では、カリブ海、メキシコ湾と、55°N以南の広い範囲で顕著な正偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2017年12月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2014年半ばから続いていた正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差)が、2017年夏頃から次第に不明瞭になっています。
全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。