全球の海面水温の変動(2018年8月)
平成30年9月18日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成30年9月18日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、西部で顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差及び基準値との差はいずれも+0.1℃でした。
- 北太平洋では、5°N, 165°E付近から中米西岸にかけて、日本の東からアリューシャンの南にかけてと、アラスカ湾で顕著な正偏差、30°N, 175°E付近から30°N, 160°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
- 南太平洋では、オーストラリア東岸から30°S, 105°W付近にかけて顕著な正偏差、チリ西岸から10°S, 135°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、アフリカ東岸から20°S, 100°E付近にかけて顕著な正偏差、ジャワ島の南で顕著な負偏差が見られました。
- 北大西洋では、北米東岸から40°N, 25°W付近にかけて顕著な正偏差、グリーンランドの南と、西アフリカ西岸から15°N, 60°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2018年8月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2014年半ばから続いていた正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差)が、2017年夏頃から不明瞭になっています。
全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。