全球の海面水温の変動(2018年9月)
平成30年10月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成30年10月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、西部で顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差及び基準値との差はいずれも+0.2℃でした。
- 北太平洋では、中米西岸から10°N, 170°E付近にかけて、日本の東から25°N, 170°E付近にかけて、アリューシャンの南からアラスカ湾にかけてと、ベーリング海で顕著な正偏差、南シナ海と、30°N, 180°付近から35°N, 150°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
- 南太平洋では、30°S, 175°E付近から25°S, 95°W付近にかけて顕著な正偏差、チリ西岸付近で顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、アフリカ東岸から20°S, 100°E付近にかけてと、北インド洋熱帯域の西部で顕著な正偏差、ジャワ島の南で顕著な負偏差が見られました。
- 北大西洋では、北米東岸から40°N, 20°W付近にかけて顕著な正偏差、グリーンランドの南と、西アフリカ西岸から25°N, 55°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2018年9月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2014年半ばから続いていた正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差)が、2017年夏頃から不明瞭になっています。
全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。