全球の海面水温の変動(2018年10月)

平成30年11月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


10月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、ほぼ全域で正偏差となり、特に西部で顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+0.8℃、基準値との差は+0.9℃でした(図7)。
  • 北太平洋では、熱帯域の西部から中部にかけて、日本の南からはるか東にかけてと、オホーツク海から北米西岸にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • 南太平洋では、熱帯域の西部と、ニュージーランド周辺から25°S, 90°W付近にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • インド洋では、マダガスカルの南東から25°S, 100°E付近にかけて、ソマリア東岸付近、アラビア海東部と、ベンガル湾で顕著な正偏差が見られました。
  • 北大西洋では、メキシコ湾から45°N, 25°W付近にかけてと、赤道域で顕著な正偏差、グリーンランドの南と、30°N, 60°Wから30°N, 40°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2018年10月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2014年半ばから続いていた正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差)が、2017年夏頃から不明瞭になっています。
 全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

このページのトップへ