全球の海面水温の変動(2018年11月)

平成30年12月17日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


11月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、ほぼ全域で正偏差となり、特に西部で顕著な正偏差だった。NINO.3海域の月平均海面水温偏差及び基準値との差はいずれも+1.1℃でした。
  • 北太平洋では、熱帯域の西部から中部にかけて、中米西岸付近、日本の南からはるか東にかけてと、オホーツク海から北米西岸にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • 南太平洋では、熱帯域の西部と、ニュージーランド周辺からチリ西岸にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • インド洋では、アラビア海からマダガスカルの南東にかけて顕著な正偏差、オーストラリア南西岸から5°S, 80°E付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
  • 北大西洋では、赤道域と、メキシコ湾から35°N, 30°W付近にかけて顕著な正偏差、グリーンランドの南で顕著な負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2018年11月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2014年半ばから続いていた正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差)が、2017年夏頃から不明瞭になっています。
 全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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