全球の海面水温の変動(2018年12月)
平成31年1月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
平成31年1月15日発表
気象庁地球環境・海洋部
- 太平洋赤道域の海面水温は、ほぼ全域で正偏差となり、特に日付変更線の西側で顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+0.9℃、基準値との差は+1.0℃でした。
- 北太平洋では、熱帯域の中部、南シナ海から日本のはるか東にかけてと、ベーリング海から北米西岸にかけて顕著な正偏差が見られました。
- 南太平洋では、熱帯域の西部からチリ西岸にかけてと、ニュージーランド周辺で顕著な正偏差、ペルー西方沖で顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、北インド洋のほぼ全域と、マダガスカル付近から35°S, 95°E付近にかけて顕著な正偏差、オーストラリア西岸から5°S, 80°E付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
- 北大西洋では、赤道域と、カリブ海から35°N, 30°W付近にかけて顕著な正偏差、南米の北東と、北米東岸からグリーンランドの南にかけて顕著な負偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2018年12月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
2014年半ばから続いていた正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差)が、2017年夏頃から不明瞭になっています。
全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。