全球の海面水温の変動(2019年2月)

平成31年3月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


2月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、インドネシア付近を除いて、ほぼ全域で正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+0.6℃、基準値との差は+0.7℃でした。
  • 北太平洋では、南シナ海から日本の南にかけてと、中央部、アラスカ湾周辺及びメキシコ西方沖で顕著な正偏差が見られました。
  • 南太平洋では、熱帯域の日付変更線付近から40°S, 90°W付近にかけてと、オーストラリア南東岸付近から50°S, 150°W付近にかけて顕著な正偏差、オーストラリア北東岸付近とチリ西方沖で顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、熱帯域の南部で顕著な正偏差が見られました。
  • 北大西洋では、赤道域、メキシコ湾からフロリダ半島東方沖にかけて及びイベリア半島西方沖で顕著な正偏差、グリーンランドの南で顕著な負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2019年2月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2014年半ばから続いていた正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差)が、2017年夏頃から不明瞭になっています。
 全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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