全球の海面水温の変動(2019年7月)

令和元年8月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


7月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、日付変更線付近で顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+0.1℃、基準値との差は0.0℃でした。
  • 北太平洋では、熱帯域のほぼ全域、千島の東とアリューシャン近海から北米西岸にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • 南太平洋では、140°W以西のほぼ全域で顕著な正偏差、チリ西岸から15°S, 115°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、ほぼ全域で顕著な正偏差となった一方、ジャワ島の南とオーストラリア南西岸では顕著な負偏差が見られました。
  • 北大西洋では、メキシコ湾から35°N, 25°W付近にかけてとグリーンランドの南で顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2019年7月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2014年半ばから続いていた正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差)が、2017年夏頃から不明瞭になっています。
 全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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