全球の海面水温の変動(2019年9月)

令和元年10月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


9月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、西部で顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差及び基準値との差はいずれも-0.3℃でした。
  • 北太平洋では、南シナ海からフィリピンの東にかけてと40°N, 170°E付近を除いて、広い範囲で顕著な正偏差が見られました。
  • 南太平洋では、ニューギニアの東から50°S, 140°W付近にかけて顕著な正偏差、チリ西岸から15°S, 120°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、90°E以西の広い範囲で顕著な正偏差、インドネシア付近で顕著な負偏差が見られました。
  • 北大西洋では、アフリカ西岸を除く40°N以南の広い範囲で顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2019年9月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 北太平洋では、正の太平洋十年規模振動(PDO)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沿岸などで正偏差)が2014年半ばから続いていましたが、2017年夏頃から不明瞭になっています。
 全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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