全球の海面水温の変動(2019年11月)

令和元年12月16日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


11月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、150°Eから180°で顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+0.5℃、基準値との差は+0.4℃でした。
  • 北太平洋では、フィリピンの東からカムチャツカの東にかけて、熱帯域の中部からアラスカ湾にかけてとメキシコの南西岸付近で顕著な正偏差が見られました。
  • 南太平洋では、ニューギニアの東から20°S, 130°W付近にかけて顕著な正偏差、オーストラリアの北東と15°S, 100°W付近で顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、マダガスカル周辺からオーストラリア西岸にかけてと熱帯域の西部からベンガル湾にかけて顕著な正偏差、スマトラ島南西岸付近で顕著な負偏差が見られました。
  • 北大西洋では、赤道域、50°W以西の広い範囲と35°N, 25°W付近で顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2019年11月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 北太平洋では、正の太平洋十年規模振動(PDO)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沿岸などで正偏差)が2014年半ばから続いていましたが、2017年夏頃から不明瞭になっています。
 全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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