全球の海面水温の変動(2022年2月)
令和4年3月15日気象庁発表
令和4年3月15日気象庁発表
- 太平洋赤道域の海面水温は、170˚E以東で負偏差となり、特に東部で顕著な負偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差及び基準値との差は-1.1℃でした。
- 北太平洋では、中央部で顕著な正偏差、アラスカ湾で負偏差が見られました。
- 南太平洋では、ニュージーランドの北東から40˚S, 110˚W付近にかけて顕著な正偏差、熱帯域の中部から東部にかけて顕著な負偏差が見られました。
- インド洋では、北インド洋熱帯域の中部から東部にかけてと、20˚S, 70˚E付近からオーストラリアの南西にかけて顕著な正偏差、西部で負偏差が見られました。
- 北大西洋では、北米東岸沖、ヨーロッパ西岸沖で顕著な正偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2022年2月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1991年〜2020年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
北太平洋では、正の太平洋十年規模振動(PDO)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沿岸などで正偏差)が2014年頃から続いていましたが、2020年に入ってから次第に不明瞭になり、2021年初め頃からは北太平洋中央部付近で正偏差が続いているなど、負のPDO時のパターンが見られるようになってきています。
全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。