全球の海面水温の変動(2022年11月)
令和4年12月15日気象庁発表
令和4年12月15日気象庁発表
- 太平洋赤道域の海面水温は、中部を中心に顕著な負偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は-1.0℃、基準値との差は-0.9℃でした。
- 北太平洋では、中央部を中心に顕著な正偏差が見られました。
- 南太平洋では、熱帯域の西部から40˚S, 100˚W付近にかけて顕著な正偏差、熱帯域の中部から東部にかけて顕著な負偏差が見られました。
- インド洋熱帯域の西部では負偏差が見られました。
- 北大西洋では、中央部から西部を中心に顕著な正偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2022年11月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1991年〜2020年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
北太平洋では、正の太平洋十年規模振動(PDO)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沿岸などで正偏差)が2014年頃から続いていましたが、2020年に入ってから次第に不明瞭になり、2021年初め頃からは北太平洋中央部付近で正偏差が続いているなど、負のPDO時のパターンが見られるようになってきています。
インド洋では、2022年夏から負のインド洋ダイポールモード現象(IOD)が発生しており、負のIOD時に見られる海面水温偏差パターン(インド洋熱帯域の南東部で正偏差、西部で負偏差)が持続しています。
全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。