全球の海面水温の変動(2024年2月)
令和6年3月15日気象庁発表
令和6年3月15日気象庁発表
- 太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部を中心に顕著な正偏差となりました。NINO.3海域の月平均海面水温偏差は+1.7℃、基準値との差は+1.8℃でした。
- 北太平洋では、中緯度帯の西部から中部にかけて顕著な正偏差となりました。
- 南太平洋では、熱帯域の中部から東部にかけて顕著な正偏差となった一方、亜熱帯域の中部から東部で顕著な負偏差となりました。
- インド洋では、熱帯域で顕著な正偏差となりました。
- 北大西洋では、熱帯域から亜熱帯域にかけて顕著な正偏差が見られました。
全球海面水温平年偏差の分布
2024年2月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1991年〜2020年)。等値線の間隔は0.5℃。
全球の海面水温の最近の傾向
北太平洋では、2010年代後半はおおむね正の太平洋十年規模振動(PDO)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沿岸などで正偏差)が続いていましたが、2020年頃からは北太平洋中央部付近で正偏差が続いているなど、負のPDO時のパターンが見られています。
全球平均海面水温は、長期的な昇温傾向が持続しています(海面水温の長期変化傾向(全球平均))。
顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。