太平洋十年規模振動(PDO)指数の変動
平成18年3月15日更新
気象庁地球環境・海洋部
診断 (2006年冬)
2005/06年冬季(12月〜2月)のPDO指数は+0.5でした。PDO指数は、 1998年半ばから2002年半ばにかけて一時的に負の値であったことを除き、1980年代以降、おおむね正の値 (北太平洋中高緯度の中部で海面水温が低い状態)で推移しています。
解説
- PDO指数とは
- 太平洋では約20年の周期で大気と海洋が連動して変動しており、PDO(Pacific Decadal Oscillation:太平洋十年規模振動)と 呼ばれています。PDO指数は、この気候変動の指標です(PDO指数の定義)。
- PDO指数と海面水温の関係について
- PDO指数が正(負)のとき、海面水温は、北太平洋中央部で平年より低く(高く)なり、北太平洋東部や赤道域で平年より高く (低く)なる傾向があります(PDO(正極)時の典型的な海面水温の偏差パターン)。
- PDO指数と海面気圧の関係について
- PDO指数が正(負)のとき、海面気圧は、北太平洋高緯度で平年より低く(高く)なる傾向があります。 これは、冬・春においてアリューシャン低気圧が平年より強い(弱い)ことを示しています( PDO(正極)時の典型的な海面気圧の偏差パターン)。
- PDO指数の長期変動
- 数十年の時間規模では、PDO指数は1920年代に負から正へ、1940年代に正から負へ、1970年代末に負から正へ、それぞれ変化しています。最近では、1990年代末に一時期負になりましたが、それ以後は正にもどっています。