太平洋十年規模振動(PDO)指数の変動
平成26年3月20日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断 (2014)
- 2014年冬季(2013年12月〜2014年2月)のPDO指数は-0.2でした。10年以上の長い周期の変動に注目すると、PDO指数は1970年代末から1990年代まではおおむね正の値で推移していましたが、2000年頃から現在はおおむね負の値が続いています。
PDO指数の時系列(1901年〜2014年)
棒グラフはPDO指数の冬季平均値を表しています。実線は5年移動平均値です。
解説
2014年冬季(2013年12月〜2014年2月)のPDO指数は-0.2でした。
数十年の長い時間規模では、PDO指数は1940年代に正から負へ、1970年代末に負から正へ変化し、その後1990年代まではおおむね正の値(北太平洋中央部で海面水温が低い状態)で推移していましたが、2000年頃から現在はおおむね負の値(北太平洋中央部で海面水温が高い状態)が続いています。
太平洋では約20年の周期で大気と海洋が連動して変動しており、PDO(Pacific Decadal Oscillation:太平洋十年規模振動)と呼ばれています。PDO指数は、この気候変動の指標です。PDO指数は、北太平洋の20°N以北における海面水温偏差の経験的直交関数(EOF)第一モードの時間係数で定義しています(ただし、地球温暖化の影響を取り去るため、EOF計算を行う前にそれぞれの地点の月平均海面水温偏差から全球平均海面水温偏差を除いています)。
このPDO指数が正(負)のとき、海面水温は、北太平洋中央部で平年より低く(高く)なり、北太平洋東部や赤道域で平年より高く(低く)なる傾向があります。また、PDO指数が正(負)のとき、海面気圧は、北太平洋高緯度で平年より低く(高く)なる傾向があります。これは、冬・春においてアリューシャン低気圧が平年より強い(弱い)ことを示しています。