エルニーニョ/ラニーニャ現象と全球平均海面水温の変動について
図1は、過去にエルニーニョ現象が発生した時(左)とラニーニャ現象が発生した時(右)のそれぞれについて平均した、 エルニーニョ監視海域の海面水温平年差(緑線)と全球平均海面水温平年差(青線)の変動の様子です。
図1 エルニーニョ現象時およびラニーニャ現象時の海面水温平年差(℃)の平均的な変動
1949年から2021年までの期間に発生したエルニーニョ現象(左)およびラニーニャ現象(右)のそれぞれについて平均した、 エルニーニョ監視海域の海面水温平年差の5か月移動平均(緑)と、全球平均海面水温平年差の5か月移動平均(青)。 平年値は1991〜2020年の30年平均値。
エルニーニョ現象時には、監視海域の海面水温が上昇すると、若干遅れて全球平均の海面水温も上昇しています。 同様に、ラニーニャ現象の場合は、監視海域の海面水温が低下すると、若干遅れて全球平均の海面水温も低下しています。
これは、図2に示すように、エルニーニョ/ラニーニャ現象が、その変動の振幅や現象が起きる領域の面積が地球全体から見た場合でも大きく、 そのため全球平均した海面水温の、数か月から1年程度の変動にも大きな影響を与えているためと考えられます。
図2 1991〜2020年における12月の月平均海面水温(℃)の標準偏差の分布
エルニーニョ/ラニーニャ現象が起きる太平洋赤道域中部から東部に変動の非常に大きな領域が広がっています (青枠で囲った領域がエルニーニョ監視海域)。