海洋変動が及ぼす日本の漁業への影響について

 マイワシは日本近海で最も大量に漁獲される魚の一つですが、多いときは年間500万トン、少ないときは1万トン未満と大きく変動しています。 20世紀においては1930年代、1980年代の2回の大きな漁獲量のピークがあり、それぞれの前後で急激な増加、急激な減少が起こっています。
 マイワシ仔稚魚は冬季から春季に黒潮続流域(黒潮の続きで、房総半島から日付変更線付近まで)に分布しますが、黒潮続流域の海面水温が低温であれば、マイワシ仔稚魚が生き残る割合が大きいことがわかっています。 このことがマイワシ資源の変動の主な原因とされています。黒潮続流域の海面水温がどのように決まっているかは明らかになっていませんが、太平洋十年規模振動(=アリューシャン低気圧の変動)との関連が指摘されています(日本海洋学会,2001)。

参考文献
 日本海洋学会,2001:海と環境,講談社,244pp.

関連ホームページ
 中央水産研究所のマイワシのホームページ
 

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