診断(2004年)
・2004年7月に発生した黒潮大蛇行は、2005年8月に終息しました。
・東海沖の黒潮流路の最南下位置は、発生直後の2004年9月に最も南の北緯30.7度となり、1980年代以降に発生した大蛇行と同程度の
規模でした。
・大蛇行の継続期間は約1年で、1953年以降に発生した7回の大蛇行の中で、最も短いものでした。
・今回の大蛇行に伴って、東海沿岸では潮位が最大20cm程度高くなる影響がありました。
東海沖における黒潮流路の最南下緯度の経年変化
東海沖における黒潮流路の月ごと最南下緯度を細線で、13か月移動平均値を太線で示しています。青の陰影部は黒潮大蛇行の期間を
表しています。
解説
本州南方を流れる黒潮の流路には、大きく分けて2種類の安定したパターンがあります。一方は、東海沖で南へ大きく蛇行して流れる
「大蛇行流路」、他方は、四国・本州南岸にほぼ沿って流れる「非大蛇行流路」と呼ばれているものです。
「非大蛇行流路」はさらに、関東近海で小さく蛇行する「離岸型」と、四国から本州の南岸近くを直進する「接岸型」に分けられます(
代表的な黒潮の流路)。
「大蛇行流路」が定着する場合を「黒潮大蛇行」と呼んでいます。
東海沖の黒潮は、1960年代半ばから1970年代半ばまで、非大蛇行流路をとって流れていました。それ以降1990年代始めまでは大蛇行流路が頻繁に発生していました。
その後再び、非大蛇行流路で流れる状態が2004年6月まで続いていました。
大蛇行の発生には、黒潮流量の大小が関係していると考えられていますが、東経137度を横切る黒潮流量の長期変動をみても、
大蛇行が頻繁に発生した時期と発生しなかった時期で、黒潮の流量に明確な違いがみられていません。
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