日本近海の海流(月概況)

平成25年6月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年5月)

  • 黒潮は、5月を通して沖縄の北西180〜190km付近を流れていました。都井岬では5月上旬は接岸、中旬以降は離岸して流れていました。足摺岬および室戸岬では5月上旬および中旬は接岸して流れていましたが、下旬は離岸して流れていました。潮岬では5月を通して接岸して流れていました。伊豆諸島付近では、5月上旬は三宅島付近を流れていましたが、中旬以降は八丈島の南を流れていました。
  • 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置は、5月を通して北緯39.5度、東経142.5度付近にありました。沖合の分枝の南限位置は、5月を通して北緯39.5度、東経148度付近にありました。親潮の面積は、5月上旬と中旬は平年より大きく、下旬は平年並の状態でした。
  • 対馬暖流の勢力は、平年より強い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年5月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年5月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2013年5月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 180km付近 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度/南東 北緯30度/東南東 北緯30度/東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31.7度、東経138.7度 北緯31.5度、東経139度 北緯31.5度、東経139.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 八丈島の南 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 沖縄の南の北緯23度付近に暖水渦がみられ、5月上旬は東経126.5度付近、中旬は東経125.5度付近(図中A)、下旬は東経125度付近にあった
九州西方では、5月を通して黒潮からの暖水の北上がみられた(図中B)
関東の南東の北緯33度、東経143.5度付近では、5月を通して冷水渦がみられた(図中C)

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2013年5月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯39.5度、東経142.5度付近(図中D) 北緯39.5度、東経142.5度付近(図中D) 北緯39.5度、東経142.5度付近(図中D)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯39.5度、東経148度付近(図中E) 北緯39.5度、東経148度付近(図中E) 北緯39.5度、東経148度付近(図中E)
その他の親潮系冷水の位置 金華山沖 宮城県沖から 福島県沖の北緯37度付近まで(図中F) 宮城県沖から 福島県沖の北緯37度付近まで(図中F)
親潮の面積(※4 平年より大きい 平年より大きい 平年並
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142度付近(平年より西) 東経142.5度付近(平年並)(図中G) 東経143度付近(平年より東)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37.5度付近(平年より北)(図中H) 北緯37.5度付近(平年より北)(図中H) 北緯38度付近(平年より北)
その他の日本の東の海流 特にみられなかった
日本海の海流 山陰沖では5月を通して隠岐の北に暖水域がみられ(図中I)、対馬暖流はこの暖水域の西縁を、5月上旬は北緯38度付近、中旬は北緯38.5度付近、下旬は北緯39度付近まで北上して流れた
隠岐の北から能登沖にかけては、上旬は隠岐の北の暖水域の北縁を東に流れ、そのまま能登沖に達した
中旬および下旬は隠岐の北から北緯36.5度、東経134度付近まで南南東に流れ、若狭湾沖から能登半島西方沖にかけてみられる暖水域(図中J)の西縁に沿って、北上する流れがみられた
佐渡沖から津軽沖にかけて、対馬暖流は5月を通して北北東に流れていた
檜山沖では5月中旬から下旬にかけて、東経139度付近を北上する流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年より強い 平年より強い 平年より強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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