日本近海の海面水温（月概況）

平成25年11月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2013年10月)

  • 日本海では、海面水温が、南部で平年よりかなり高く(図中A)、北部の東経137度以東で平年より高くなっていました(図中B)。
  • 北海道南東方と本州東方では、東経145度付近を中心に、海面水温が平年より高くなっていました(図中C)。
  • 沖縄の東では、海面水温が平年よりかなり低くなっていました(図中D)。
  • 東シナ海北部では、海面水温が平年より高くなっていました(図中E)。
  • 東海沖では、海面水温が平年より低くなっていました(図中F)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2013年10月）
日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2013年10月）

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

日本海では、海面水温が、南部で平年よりかなり高く(図中A)、北部の東経137度以東で平年より高くなっていました(図中B)。日本海南部(図中A)では、9月下旬に海面水温が平年より高くなっており、10月上旬には、風が平年より弱く、また、寒気の影響を平年ほど受けなかったため、海面水温が平年ほど低下せず、平年よりかなり高くなっていました。

北海道南東方と本州東方では、黒潮から分かれて北上した暖水の影響により、東経145度付近(図中C)を中心に、海面水温が平年より高くなっていました。この海域では、南よりの風の影響を受けて、10月中旬までは海面水温が平年より高い海域が拡大しましたが、10月中旬以降、低気圧や台風第26号、第27号に伴う北よりの強い風の影響を受けたため、10月下旬には海面水温が平年より高い海域は縮小しました。

9月下旬と10月中旬にそれぞれ沖縄の東を北上した台風第20号と第26号の影響により、沖縄の東(図中D)では、10月の上旬と下旬には海面水温が平年よりかなり低くなっていました。

東シナ海(図中E)では、北部を中心に海面水温が平年より高い状態が続いていましたが、10月中旬以降、低気圧や台風第26号、第27号に伴う北よりの強い風の影響を受けたため、10月下旬後半には海面水温が平年より高い海域は縮小しました。

東海沖では、黒潮の流路が南下していた影響で、海面水温が平年より低い状態となっていました(図中F)。

海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。

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